有力”「玉頭位取り」の棋譜解説 〜2

(今回は前回の記事の続きです)↓前回の記事  https://www.taropou06.online/2022/08/17/組めたら勝率九割!「玉頭位取り」%E3%80%80〜1/

 こんにちは「taropou」です。軽く自己紹介させて頂くと、将棋倶楽部24 四段 将棋ウォーズ五段の自称、高段者です。

前回は、「玉頭位取りとはなにか?玉頭位取りの長所の短所」を解説したので、今回は、角交換振り飛車対策の「玉頭位取り」を僕が将棋倶楽部24で指した棋譜を参考に解説していきます。

 実際に対局動画を挙げておきます。下に記事はあります。

では、早速棋譜解説していきます。

棋譜解説!

これから解説する棋譜は将棋倶楽部24で指したものです。また、将棋倶楽部24の盤を使うと対局相手の名前がわかってしまうため、「ぴよ将棋」を使わせていただきます。ぴよ将棋さん有難うございます。

 〜序盤編

相手は角交換向かい飛車です。ここは、▲5三角も考えられます。以下△4四角▲同角成△同銀で相手の逆棒銀の選択肢を無くします。ただ、普通に囲いました。

まず、ボナンザ囲いに囲います。いつ戦いが起きても良いように細心の注意を払って序盤は指しましょう。他にこの局面で見るべき点は後手が△4四銀と上がっており逆棒銀が無いという点です。これのおかげでゆっくり囲えます。

これがこの戦法のポイントの一手です。美濃囲いの弱点のコビンを狙っており後手は気持ち悪いです。ここから位を支えていきます。

後手は銀冠に囲ってきました。先手は当初の狙い通り▲7六銀〜▲6六歩〜▲7七桂〜▲6七金と囲いを厚くしていきます。

先手は理想型を完成させることが出来ました。ただ、少し誤算があります。何かというと、先手は飛車を8九まで回して銀頭を攻めたいのですが、△3五歩と突いているため桂を3七に跳ねれず、▲2九飛と出来ません。

後手は銀冠穴熊に囲いました。僕はここがチャンス!と▲6四歩と突きました。△同歩に▲3一角で馬を作ります。

 〜中盤編

 駒がぶつかり、中盤戦に入りました。

さっき解説した通り、△同歩▲3一角と進みました。これで先手の馬を作れることは確定しました。後手は、△3二飛と回り▲6四角成に△3六歩▲同歩△同飛▲3七歩△3四飛と石田流に構えました。

前の局面から、▲5四馬△3三桂▲4三馬△1四飛▲2四歩と進みました。最後の▲2四歩は手筋で、△同飛なら▲同飛△同歩▲4四馬で銀得で、△同歩でも▲4四馬で銀得です。ただ、穴熊を生かし▲5三金があります。

後手の最善手です。▲同馬△同銀▲2三歩成など強気の指し方は穴熊相手にはダメです。一旦▲6五馬と引き上げます。先手は玉頭戦にしたいので飛車交換などの戦いは避けます。

前の局面から、▲6五馬△4五桂▲4六銀△6六歩▲同馬△2四飛▲2五歩△3四飛▲8五歩と進みました。多く進めてすいません。ただ、先手は飛車交換を避け、銀頭を攻めるという方針は変わっていません。最終手▲8五歩は狙いの一手で、序盤の駒組みが生きています。

△8五同歩▲8四歩△7二銀▲7四歩△同歩▲8五桂△6四金と進みました。途中の▲7四歩は急ぎ過ぎです。▲9五歩を入れ先手勝勢でした。相手の方のここからの粘りが凄いです。

▲7三歩△同桂▲同桂成△同銀▲8五桂△6二銀で↑の局面。▲9五歩△同歩が入っていれば良いのに・・・ここらから僕が焦り出します。僕もまさかここから逆転されるとは思っていませんでした。

▲6五歩△6三金▲5五銀と進みます。▲5五銀に△同銀は▲同馬で▲8二馬からの詰めろです。よって後手は△同銀とは取りません。△3七桂成としてきます。▲3五歩と切り返しましたが、普通に▲同桂の方が良かったです。△2八成桂▲3四歩△8六桂と進み次と局面です。

 〜終盤編

嫌な手ですが、▲8八玉と寄ればなんともありません。しかし、▲7七玉と指してしまったのです。▲8三桂と打ちたくて桂を取りに行ったのですが、危険を犯しすぎです。△8九飛と打たれピンチです。次に△8八角と打たれたら終わります・・・ 

△8九飛▲6一飛△8一歩!!▲8七銀△7九飛成▲8六玉と進みました。ここで△5五銀と取られたら負ける、と思っていましたが、相手の着手は△7五角。▲同馬△同竜▲9七玉でなんとか大ピンチは逃れました。

上の解説から、△7九角▲8八角△同角成▲同玉△7九角▲8九玉△5五銀と進みました。次に△8八銀からの詰めろです。苦しそうですが、▲7八金で粘ります。そこで後手に悪手!△8四竜です。

△7八竜と取れば後手勝勢の将棋でした。△7八竜以下▲同玉△6六歩で受け切れません。後手はZなので詰めろを掛け続ければ勝ちでした。相手の方は時間に追われたのでしょう。先手は▲7九玉と角を取り長期戦になりました。その部分は解説しないでおきます。

僕が勝つ数手前です。↑は後手玉に詰みがあります。読み切って下さい。結構多く詰み筋があります。詰ませたら下に行って下さい。

答え

▲8二角成(▲8三桂からも詰む)△同玉▲7一角△9一玉▲8二金△同歩▲8三桂△同銀▲8一金△同玉▲6二角成

綺麗な詰みですね。実戦は△8三玉と逃げたのですが、詰め将棋というとこちらの方が良いのでこの詰み筋を載せました。ちなみに実戦は△8三玉に▲8六飛打ったのですが、▲8四金でよかったです。

まとめ

玉頭位取りの優秀性がわかったでしょうか?やはり難点は玉が薄いことですね。ただ、今回は僕がアホな悪手を指し悪くなりましたが(笑)、それまでは簡単に勝勢になれたでしょう。

 少しでもこの記事が玉頭位取りを指す方の参考になればと思っています。また、対局相手の方のありがとうございました。将棋盤は「ぴよ将棋」さんのものを使わせていただいています。ありがとうございます。

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